In the name of love act27
そろそろ会話が終わる気配がして、エドワードは一足先に部屋へ戻った。
エドワードはひどく打ちのめされた気分だった。
リビングに置かれたままの大きな物体が目に入り、自嘲気味に笑った。
それは1メートルほどの大きさのモミの木だった。あと二週間ほどでクリスマス。本当はもっと大きなものが欲しかったが、売れ残っていたのはこのサイズが最大だった。
急にツリーを買おうという気になったのは、レイの話を聞いたからだった。
本来、クリスマスは家族と共に祝うものなのだが、日本では恋人同士で過ごすのが一般的なのだそうだ。あいにく、エドワードもレイもクリスマスを共に過ごす家族がいない。だから今年は日本式に過ごそうと思い立ったのだ。
種類は少ないが、ツリーに飾るオーナメントも買い揃えていた。帰ったら、一緒に飾りつけようと思っていた。
それなのに…。
先ほど目にした光景が頭の中から消えてくれない。
どうして自分はただ傍観していることしかできなかったのか。
恋人ならば、ギルフォードがレイを抱き寄せた時点で割って入り、何をしているんだと殴りかかって然るべきであったのに。
美しい光景だった。絶対無比の美貌を誇る一対。二人のまわりには、まるで不可侵の聖域が存在しているようにさえ見えた。
所詮、自分はギルフォードの足元にも及ばない人間なのだ。唯一勝っていると思われたレイへの愛も、こんなにも簡単に揺らいでいる。自分がいなければレイは生きていられないだろう、などという傲慢な思い込みをしていた自分が愚かしい。
(…レイにはアイツがいる)
ギルフォードがレイを振ったのだと思っていたから、レイに手を出したのだ。
(…いや、違う。本気の恋だった。レイを、愛してた)
しかし、ギルフォードは今でもレイを愛している。
(じゃあ、俺は何なんだ?)
二人のすれ違いは誤解だったのだ。それが解けたら、自分は用済みなのではないか?
(俺は…、俺は…)
答えはすでに出ているのかもしれない。しかし、それに向き合うのが怖かった。ブラックホールのような空虚がエドワードを飲み込む。それは絶望的な喪失感。二度と埋まることのない風穴。
(そんなのはイヤだ…)
しかし現実はエドワードに、非情なまでの選択を突きつけている。
(どうしたらいい?俺は…!!)
苦悩するエドワードの元に、レイが戻ってきた。
外の冷気で頬が赤くなっている。それとも、アーサーとの逢瀬がそうさせたのか。
「エディ、帰ってたんだ。…おかえり」
レイが気まずそうに言って、エディに近づく。
「勝手に外に出てごめん…。実は…」
エドワードのスーツの裾に触れたレイがその動きを止める。
その理由をエドワードはすぐに察した。
…スーツの生地が未だにひんやりと冷気を帯びていたのだ。
「もしかして、見てたの…?」
レイの声が悲しげに震える。
「見てない。何も」
なぜ嘘をついたのか、エドワードにもわからなかった。
嘘をついたからといってレイと一緒にいられるわけでもないのに。
そして結局はエドワードの見え透いた嘘はただレイを傷つけただけだった。
「…そう」
ひどく寂しそうにそう言ってレイは押し黙った。
レイの傷付いた顔など見たくないと思っても、この狭いアパートでは嫌でも視界に入ってしまうのだった。
〜To Be Continued…〜![]()
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コメント
記事の内容とちがうのですが・・・
いきなりで申し訳ありません。
よろしければリンクして頂けないでしょうか?
No:102 2007/09/28 18:44 | ゆーたん #/USY0yIsURL[ 編集 ]
ありがとうございます♪
いらっしゃいませ、ゆーたんさま♪
リンクの件、メールフォームの方にお返事させて頂きました。わざわざのご訪問ありがとうございました♪
No:103 2007/09/28 19:04 | れおん #-URL[ 編集 ]
切ないエディ……
あう、エディかわいそう…
絶対別れてほしくないんですが、でもSS読ませていただいて、アーサーもやっぱりイイよなぁ…なんて思って、もうどうしたらいいのかわかりません(/ー\*)
私がどうこうする必要ないんですけどね…w
ラスト楽しみにしてますよ〜!
また明日来ます☆\( ^ ^)/〜
No:106 2007/09/29 00:10 | 遠麗 #-URL[ 編集 ]
エディ…
いらっしゃいませ、遠麗さま♪
あの全然短くないSS読んで頂けました?
本当はもっと長く書きたかったんですが…(夜のシーンとかね(^v^)
アーサーの場合、レイ限定の甘アマなんでしょうもないです。
でもエディは…(T_T)
No:107 2007/09/29 00:21 | れおん #-URL[ 編集 ]
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