恐怖のバクテリア〜バクテリア王国へようこそ〜

御厨鈴音(みくりやれおん)が勝手に作り上げた恐れるにたらぬ王国。小説とも呼べない駄文ばかりですので、読むときっと後悔します。そんなの嫌だ、という方と18歳未満の方、BLという二文字に嫌悪を感じる方は今すぐお逃げ下さい。
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御厨 鈴音

Author:御厨 鈴音
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In the name of love act25

►2007/09/25 20:00 

 

 静寂な室内にけたたましい電話の呼び出し音が鳴り響く。
 一心不乱に音符を書き連ねていたレイは、その音で現実へと引き戻された。エドワードからかもしれないと、急いで受話器を取り上げたがそこから聞こえてきたのは恋人のものではなかった。
『レイ。私だ』
 張りのある若々しいバリトン。そしてレイの名を呼ぶ時、それは艶を帯びる。
 レイの、受話器を持つ手がわずかに震えた。
「…アーサー?」
 久しぶりに聞く声。しかし、一番忘れたかった声。
 どうして、なぜ、と問うよりも彼との思い出が蘇り、頭が混乱する。
『君に会いたい』
 鼓膜から甘い毒を流されているような気分だった。
 アーサーの声が、まるで催眠術のようにレイから判断力を奪っていく。
『下に車を停めてある。…降りておいで、レイ』
 行きたくない、会いたくないと理性が拒否するのに、まだわずかに残る彼への恋情がレイの足を階下へと向かわせた。エドワードにきつく外出するなと言われていたのに、そのことはレイの頭をよぎりもしなかった。


 アーサーは、アパートから出てきたレイの姿を認めるとすぐに車の中に引き入れた。
 久しぶりに見るレイは記憶の中のレイよりも幾分ふっくらとして見えた。騒ぎが起きてから、レイがまともに食事を取れなかったのを知っていたので、ハーシェル氏がきちんと食事を与えていることが分かって安堵した。
「何で…。あそこがわかったの?」
 レイのその問いで、ハーシェル氏がレイに何も話していないことがわかる。おそらく、ケイトの妊娠の件も話していないのだろう。
「ミスター・ハーシェルから連絡をもらったんだ。君を迎えに来て欲しいとね」
「嘘だ、そんなの…」
 レイの眉間が訝しげに歪む。
「君と話がしたかったんだ。君はおそらく何か思い違いをしているようだからね」
 レイは相変わらず、警戒するような目でアーサーを見ている。同じ後部座席に座っているにもかかわらず、二人の距離は遠い。
「アーサーが僕を襲わせたんでしょ…?あの人達が言ってた。だから、アーサーは僕のことを嫌いになったんだって思って…」
 そう言ってレイは深く俯く。その時のことを思い出しているのだろうか。辛そうに顔を歪めている。
「違う、そんなことを私がさせると本当に思っているのか!?これは、誰かの策略だ。私達を別れさせるための罠だ」
 それもかなり悪質な。そして、その首謀犯は未だ特定できていない。
「でも、アーサーは僕と付き合っちゃだめだ。別れて正解だったと僕は思う」
 レイにとって、あの暴行の真相は二の次のようだった。もっと重要なことがあると言いたげに更に言葉を続ける。
「僕はどんなに頑張っても、君の子供を作ることなんてできない。アーサーにはもっと相応しい人がいるよ」
「何を言っているんだ。今更だ、そんなこと…」
 アーサーとて何も考えず、レイと付き合い始めたわけではない。一時の戯れでレイとの関係に踏み切ったつもりもない。しかし、予想を上回る世間の拒否反応はいとも簡単に二人の関係を壊してしまった。
「君のために世界を失おうとも、世界のために君を失いたくはない」
 陶然と呟いたアーサーに、「バイロンだね」とレイが言う。
「そのこともある。でも今は、好きな人がいるんだ」
「別れてくれ、と言ったら?」
「無理だよ。僕はもう、彼なしじゃ生きていけない」
 時間を巻き戻すことができたなら…、などという非現実的な考えを抱いたのは初めてのことだった。それほどアーサーは今、後悔をしていた。
 引き裂かれた時間の間に築かれた愛情に、アーサーは激しく嫉妬した。
 これが、レイを守りきれなかった罪なのか。
 しかし、諦めたわけではない。
 レイがいなくては生きていけないのは、アーサーも同じだからだ。
(チェックメイトまではあと少しだ)
 すでに手は打ってある。
 アーサーはレイを横目で見つめながら、再びこの腕に彼が戻ることを確信していた。


〜To Be Continued…〜



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テーマ : 自作BL小説 - ジャンル : 小説・文学

In the name of love (完結) | Comment(2) | Top ▲

コメント

ご結婚!おめでとうございます!!(^^)/

夜分遅くに済みません!!(汗)こちらに着たらこの記事が目に飛び込んできたので、(まだここまでお話は辿りついていないのに〜(苦笑)読んでしまいました(笑)
れおんさん!本当にこの度はご結婚おめでとうございます!!れおんさんは、とても世話好きな優しいイメージがあるんで、(勝手にイメージ作って済みませんです(苦笑)だんなさんが羨ましいですよ(^^)v
二人のあたたかい家庭を作りつつ!幸せになってください!(^^)d

No:98 2007/09/26 02:15 | 古田 #-URL[ 編集 ]

ありがとうございます!!4

いらっしゃいませ、古田様♪

いや〜、ホントにうれしいッス(*^。^*)
二人で暮らすのはまだまだ先になるけど、旦那様を幸せにできるよう誠意努力していきたいと思います♪
今度は古田さんだね〜(^v^)ムフッ♪

No:99 2007/09/26 08:34 | れおん #-URL[ 編集 ]

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