In the name of love act17
エドワードが仕事から帰って、呼び鈴を押すと中から「ハーイ」と弾んだ声が返ってくる。その声を聞くだけでエドワードは一日の疲れが吹っ飛ぶような気がした。そして自分の腕に恋人を抱きしめることができる期待に胸が熱くなる。
「おかえり、エディ!」
満面の笑みで自分を出迎えてくれた恋人を待ち切れない焦燥感で抱きとめる。
「エディ、…ンンッ……」
ただいまのキスはいつも濃厚になる。玄関からベッドに直行というコースも珍しくない。
…レイとの同棲生活が始まって、一週間が経っていた。
アパートにはギルフォード氏の見張りがついており、「帰りたくない」と主張するレイにエドワードは一度会ってきちんと話し合いをするべきだと説得したが、レイは断固としてそれを拒否した。頑なになる理由が分からなくもないのでエドワードはそのままレイとの同棲を開始させた。
エドワードが調べて、シノン氏の事務所にも電話をかけさせたが、いたずら電話と勘違いされたらしく結局レイはエドワードの元にいるしかなくなってしまった…という事情もあったが。
「レイ、お前また確認しないでドア開けただろ?」
ただいまのキスにしては濃厚すぎるいつもの儀式を終えてエドワードがコツンと軽く額をぶつける。
「だって、嬉しいんだもん。エディから電話来てからずっと玄関で待ってるんだよ。待ち切れないよ…」
可愛いことを言う恋人に幸福を感じながら、
「バカ、変なやつが来たらどうすんだ」
照れ隠しのようにそんなことを言う。
実際それは現実的にありえる問題であった。
耳聡いパパラッチが、もしくはアーサー・ギルフォードがいつここを見つけ出してもおかしくはないと思っている。
しかし、肝心のレイが警戒心皆無なのではエドワードも手の打ちようがない。
一日中、部屋にこもり切りのレイが唯一の話し相手であるエドワードの帰りをレンズを覗く余裕もないほど待ちわびる気持ちもわからないわけでもない。
そしてそんなレイの気持ちを嬉しがる自分がいるのもまた事実なのであった。
バカ、と言われたのにレイはひどく嬉しそうに笑っている。
「エディ、甘い匂いがするよ?」
まるで催促するような問いかけにエドワードはドーナツを買ってきていたことを思い出す。
「ああ、ほら、お前これ好きだろ?」
差し出された紙袋にレイは破顔して、
「やった〜!!ありがとう!!」
子供のように無邪気に喜ぶ。
(これで30歳なんて反則だよな…)
男だとわかった時も、レイが今世間を騒がせている人物だと知った時も相当驚いたが、実年齢を聞いた時も同じくらい驚いた。
東洋人は若く見えると言われているが、レイはその極端な例なのかもしれない。
(精神年齢は10歳以下だがな…)
さっそくドーナツを一個頬張って、口の周りを砂糖だらけにしている姿に思わず笑いを誘われたエドワードだった。
そして、アーサー・ギルフォードがエドワードにコンタクトを取ってきたのはちょうどその頃だった。
〜To Be Continued…〜![]()
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