In the name of love act15
その日もアーサーの帰りは遅かった。
昨夜は酷い仕打ちをしてしまったという自覚があり、反省もしていた。せめてもの詫びとしてレイの好きなチョコレートケーキも用意させてあった。これで少しはレイのご機嫌が取れるならと、浅はかな考えもあった。
しかし、ご機嫌を取るべき相手はマンションにはいなかった。
「レイ!どこだ、レイ!」
広いマンションの部屋中を名前を連呼しながら探すものの、どこにもその姿は見当たらない。携帯に連絡すると部屋の中からレイの携帯の着信音が聞こえ、いよいよアーサーはこれがただ事ではないことに気づく。
しかし、少しばかりぬけたところのあるレイのことである。
昨夜のことでへそを曲げ、家出してみたものの携帯電話を忘れて出て行ってしまった…、ということも考えられなくはない。
いや、そうであって欲しいと、アーサーは急いでレイのアパートに向かった。
道すがら、シノン氏にも連絡を取ったがそこにもレイはいないとのことだった。だとすれば、レイはアパートにいるに違いない。
四階まで階段を駆け上がり、415号室のベルを鳴らす。しかし返事はない。ドアの向こうに耳を澄ましてみるが、物音一つしない。もしかしたら眠っているのかもしれない。そうも思った。レイは一度寝ると大抵のことではなかなか目を覚まさないから、ベルの音くらいでは目を覚まさないだろうと。
しかし、その日のアーサーはそんな理由で諦めて帰るほど見切りがよくなかった。後から思えば、何か勘のようなものが働いていたのかもしれない。
とにかくその時は、レイが部屋の中で一人で発作を起こして倒れているのかもしれないと、良からぬことを考え強行突破することにしたのだ。
つまりはドア破りである。
冷静に考えれば、錠前師を呼ぶなどして穏便に済ます方法などいくらでもあったのだが、その時のアーサーには全く考え及ばぬところであった。
学生時代に嗜む程度にやっていたラグビーのタックルさながら、アーサーはドアに体当たりを食らわせる。古いアパートの建てつけの悪いドアは、アーサーの強烈なタックルに五回ほど耐えて力尽きた。
「レイ!いないのか!?」
アーサーの呼びかけも虚しく静寂に吸い込まれていく。
期待を込めて覗いた寝室にもレイはいなかった。
「畜生!!」
貴族らしからぬ荒々しい言葉を吐き捨てて、アーサーは立ち尽くす。
絶望と怒りがない交ぜになり、脳が沸き立つようだった。
「おい、あんた、そこで何してる!!」
騒音を聞きつけ、近所の住人が様子を見に来たらしい。アーサーの顔を見るなり一瞬怯んだが、
「あんた、警察を呼ぶぞ…」
声のトーンを落として言った。
「ああ、そうしてくれ。これは事件だ」
「…はぁ?」
男はアーサー・ギルフォードが罪を認めたのかと思い、それにしては様子がおかしいと首を捻ったが、アーサーは十分正気だった。
これは、ただの失踪ではない。
レイが自分の腕からすり抜けて行ってしまうようで、激しい焦燥を感じたアーサーだった。
〜To Be Continued…〜![]()
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コメント
れおんサマ、こんばんは♪
あーんもう!
エドとやっちゃったと思ったら、アーサーはドアぶち破りッ!
どんどん凄い事がでてきて、毎度ビックリよん。
しっかし、レイちゃんて天然小悪魔だよねぇ。
レイちゃんの周りで右往左往する男達が楽しいわーッ。
でもまだ痛い話出てくるんだよねぇ・・・ドキドキ・・・
No:63 2007/09/16 18:52 | ちゃとら☆ #-URL[ 編集 ]
やっちゃいました☆
いらっしゃいませ、ちゃとらサマ♪
アーサーのドア破りは私も引き止めたのですが、言うこと聞くような男じゃないので決行(^_^;)
レイが絡むと暴走しがちなやつです(笑)。
レイちゃんは間違いなく、天然小悪魔でしょうね☆
特に今は精神的に不安定なので余計に周りがふりまわされちゃってます。
このコ達の未来はいずこ…
私のとこのカウンター、壊れてます。
これも新画面の影響なのでしょうか!?
No:64 2007/09/16 19:30 | れおん #-URL[ 編集 ]
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