恐怖のバクテリア〜バクテリア王国へようこそ〜

御厨鈴音(みくりやれおん)が勝手に作り上げた恐れるにたらぬ王国。小説とも呼べない駄文ばかりですので、読むときっと後悔します。そんなの嫌だ、という方と18歳未満の方、BLという二文字に嫌悪を感じる方は今すぐお逃げ下さい。
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In the name of love act10

►2007/09/10 20:00 



 確かに、その写真はあの少年のものだった。
 どうして、何故、と疑問ばかりが湧きあがって頭の中は混乱状態だ。
「…本当にこれが、アーサー・ギルフォードの恋人なのか?」
 よく考えてみれば、少年とは名乗り合ってすらいない。奇妙な話だが、お互いのことを何も知らぬまま二晩共に過ごしていたわけである。 
「そうだけど…、エド、どうした?顔色悪いぞ」
 気遣わしげに顔を覗き込んだ同僚にタブロイド紙を押し返し、
「わりぃ、俺具合悪いから帰るわ。ケインズにもそう言っといてくれ」
 上司の名を出してエドワードがそう言うと、パトリックは呆気にとられた顔で曖昧に頷いた。
 どうせ、こんなに頭の中が別なことでいっぱいの状態で仕事をしてもまたミスを犯すに違いなかった。
 具合が悪いわりに颯爽と走り去ったエドワードを、パトリックが首をひねりながら見送っていた。
「何だ、ありゃ…?」


 エドワードはその足でまっすぐアパートへ向かった。
 渦中の人物がなぜ自分の部屋に迷い込んで来たのか聞き出すために。もっと早く事情を聞くべきだったのだろうが昨夜の状態ではそれは無理な話だった。
 部屋に入ると、そこにはもう少年はいなかった。ベッドにもソファにも、部屋中を探したがどこにも人影はない。ただ、リビングのテーブルの上にメモが置かれていた。
『大変お世話になりました。ありがとう』
 とだけ書かれていた。
 昨夜の自分の苦労をこんな短い言葉でまとめられ、エドワードは憤る。直接顔を合わせることなくこんな粗末な紙切れ一枚で済まそうとするのも許せない。
 バスルームが使われた形跡があり、まだ湯気が残っていたところを見ると少年はまだ、そう遠くへは行っていないはずだ。
 エドワードはすぐさま身を翻し、アパートを出る。
 直観だけで走り回り、近くをウロウロしているとあるダイナーで不穏な光景が展開されていた。
 それに気が付いたのはまさに偶然としか言いようがない。
 テーブルに座り、三、四人程のガラの悪い男に囲まれていたのは、あの少年である。どう見ても、仲良く歓談している風には見えない。絡まれているのである。
「クソッ、何やってんだよ…!」
 エドワードは一人ぼやいて、ダイナーに入っていく。
 事なかれ主義のエドワードにとっては、できることなら関わりたくない状況であったが、あのか弱そうな少年の窮地を見て見ぬふりをするほど非情ではなかった。
 店の中は凍りついたようにピリピリとした空気に包まれていた。陽気なBGMが流れているが、それすらも寒々しく聞こえるほどだった。
「ヘイ、パンジー。さぞかしメイド・イン・ジャパンの性能はいいんだろうな」
 少年を取り囲む男の一人が下卑た言葉遣いで揶揄する。
「あのアーサー・ギルフォードを銜え込んでたお上品なケツの穴をオレたちにも試させてくれよ」
 聞くにたえない下品な言葉にエドワードの方が我慢ならなくなってきた。
「はいはいはい。弱い者いじめはそこまでにしておきましょうね!!」
 一発や二発は殴ってやらないと気が済まないほど腹が立っていたが、相手は自分よりも体格のいい男四人。ケンカ慣れしていないエドワードに勝ち目はない。
 思わぬ闖入者に怯んだ男たちをかき分けると、青ざめた顔の少年がぼんやりとした眼でエドワードを見上げていた。
「ほら、帰るぞ」
 二の腕を掴んで立ち上がらせると引きずるように出口に向かう。男達が絡んできたが一切無視して立ち去ると店の外まではついて来なかった。
 しばらく歩いてひと気のないところまで来るとエドワードは立ち止って説教を始めた。
「お前何やってんだよ、あんなところで!そりゃ絡まれるに決まってんだろ」
「…ご、ごめ…。お腹空いてたから、なんか食べようと思って…」
 よく見ると少年の髪から肩や胸元が濡れていた。水を掛けられたのだろうと容易に想像できた。
「今の自分の立場考えてみろよ。街の中歩いたら後ろ指差されることくらいわかんねーのかよ」
「う、うん、ごめ…なさい」
 青白い顔で震える少年を見ていたらそれ以上責めたてることができなくなる。まるで自分が虐めているような気分だった。
「…もういいよ。ちょっと事情聞かせてくれ。俺にはその権利があるだろ」
 そう言うと少年の肩が震えて、その白い頬に一筋の線が流れた。


〜To Be Continued…〜



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In the name of love (完結) | Comment(4) | Top ▲

コメント

おううッ!

こんばんは〜♪
レイちゃんどんどん可愛そうになてっいくぞー!
幸せはいつくるのかなぁ。
エドの登場から、なんだか危ない香りを感じてるんだけど〜。
展開が読めなくて、毎度ドキドキよ!!!!!

No:48 2007/09/10 22:49 | ちゃとら☆ #-URL[ 編集 ]

はう〜(・。・;

ちゃとらサマ、いらっしゃいませ♪

つ、つらいです…。ちゃとらさんのそのお言葉…。
はっきり言って、このストーリーは邪道なんだと思います。
アーサーに期待して頂いてる方には特に酷い展開に…。
(エドもいいヤツなんで、可愛がってください^^;)

ちゃとらさんのところにもお邪魔しに行きまーす♪

No:49 2007/09/10 23:20 | れおん #-URL[ 編集 ]

れおんさん!今晩は(^^)/

新シリーズ!!ここまで一気に読まさせて頂きました!
アーサーとレイちゃんに忍びよる魔の手!!
正体はガルストンだったのか!!やられた!!
(でも、俺はガルストンのような奴もキャラとして大好きです♪え?・・ヤバイですか?(苦笑)
そして気になっていた!!エド!!出てきましたね〜♪
個人的には・・・まだ不完全ではありますが(苦笑)今までの人となりを読まさせてもらって・・どうしよう・・俺の中ではアーサーよりエドに軍配が!!(笑)
あんな爽やかな人の良さそうな奴大好きです!!
つい後方支援したくなるんで・・・(笑)
レイちゃんを挟み三角関係勃発!??今後がますます楽しみです♪また来るのが楽しみになりました♪
また来ます!(^^)/

No:87 2007/09/24 00:02 | 古田 #WGr3aBVIURL[ 編集 ]

お晩でございます☆

いらっしゃいませ、古田さま♪

ガルストンが出てくるシーンはあまり上手く書けなかったんです。作者が頭悪いので、ああいう頭のいいキャラって何考えてんのかよく分からない。
だけど古田さんにお気に召して頂いてよかったっす♪
後でちゃんと書き直さなきゃ★

そうそう、アーサーの評判ガタ落ちです(笑)。それがこの小説の狙いでもあったんですが。恋愛によって身を持ち崩していく男というのを書いてみたかったんです。
そりゃ、レイちゃんも愛想尽かしますよ。
てゆうか、レイもまだ不安定…。
泣いてばかりです、この子も★
これから成長していく二人に乞うご期待☆ということで。
またのご訪問、お待ちしております♪

No:89 2007/09/24 00:24 | れおん #-URL[ 編集 ]

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