Perfect Love act1
英国貴族で実業家の青年アーサーと、謎の多い美少年(青年?)レイのお話です。
楽しんで読んでいただければ幸いです。
厚い雲に覆われた重苦しい天気だった。
そびえるビル群から時折のぞく雨雲は、ロンドンの曇り空を見慣れたアーサー・ギルフォードには何の感慨も与えなかった。そもそも天気の良し悪しで気分を左右されるような繊細さは持ち合わせていない。後部座席の車窓からちらりと上空を見ただけで、彼の関心はすぐに他へと移ってしまう。
モバイルで株価の動向をチェックしているうちに目的の場所へ到着する。運転手によって恭しくドアが開けられ、アーサーが一歩外に足を踏み出すと、その場の空気が瞬時に引き締まった。
若干26歳で世界的大企業『IBC』グループのCEO(最高経営責任者)に就任したアーサーは今、その精悍な美貌とイギリスの名門ギルフォード家の高貴な生まれとで世界中の注目を集めていた。
また、名うてのプレイボーイであるアーサーが次にどんな女性と浮名を流すのかというのも巷の話題の一つで、女優やモデル、名家の令嬢など、彼の恋人の座を狙う女性は後を絶たない。今日もそんなアーサー見たさの若い女性がちらほらといて、彼に熱い視線を送っていた。
今日アーサーが訪れているパリの高級老舗デパート「ヴィクトリア」は『IBC』グループが所有する一つで、近頃売上が落ち込んでいるためという名目で視察に訪れていた。
退屈な時間というのはとても長く感じるもので、一時間というのはこんなにも長いものだったかとアーサーは内心苛立っていた。今後の経営方針について語り合う時間ならばまったく惜しくはないが、今回のような就任の顔見せのための儀礼的な訪問はアーサーにとって時間を空費しているとしか思えなかった。
支配人の長々とした説明に集中力が途切れていたアーサーは前方への注意を怠っており、突然目の前に飛び出してきた人影にまったく気づくことはなかった。ぞろぞろと隊列を引き連れて先頭を歩いていたアーサーは、当然その人物とぶつかることになる。
胸の中に飛び込んでくるようにぶつかってきたその人をかろうじて反射的に抱きとめたものの、相手が走っていたために衝撃がかかり、踏みとどまることのできなかったアーサーは人物もろ共、床に倒れこんでしまった。背中から床に叩きつけられたアーサーだが、持前の頑丈さとフェミニスト精神によって腕の中の人物だけは死守することができた。
取り巻きの人々が息を飲んで見守る中、アーサーは動かない腕の中の人物に声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
相手が女性であるらしいことは抱きとめた時の身体の細さと、上に乗られているのにまったく重圧を感じない軽さで推測できた。
女性はしばらくアーサーの胸に顔をうずめていたが、わずかに身じろぎをすると、ようやく上体を起こす。
「お怪我は……」
ありませんか、と続くべき言葉がそこで止まる。
その瞬間、アーサーの周りの時間も止まってしまった。
アーサーはその女性の容貌のあまりの美しさに目をくぎ付けにされた。
まだ幼い少女のような愛らしい顔立ちは、まるで空から舞い降りた天使のようだった。
〜To Be Continued…〜
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コメント
早速遊びに来てしまいました!(^^)/
れおんさん、改めまして今晩は♪
流れるようなお話と・・なんだか高貴な感じがいいですね♪でも・・・これBL??とびっくりしてしまいました(笑)
普通のお話でもいいんじゃないかと♪
イイっすね〜!イギリス!!俺の行きたい国の一つではありますが・・いかんせん飛行機駄目人間なので・・永遠に無理なんです・・(苦笑)だから、れおんさんの小説で旅させて貰います♪
No:1 2007/08/16 18:02 | 古田 #WGr3aBVIURL[ 編集 ]
いらっしゃいませ〜!
早速きて下さったんですね!ありがとうございます!
ようやく復旧したようで、お返事遅れてしまいました★
なんか褒めて頂いちゃって…文章がかたいのが悩みです。古田さんみたいにくだけた感じに書ければいいんですけど(汗)激エロ短編も載せてたんですが、諸事情あって削除しました。そのうちにまた掲載したいと思ってます。
No:2 2007/08/16 22:37 | れおん #-URL[ 編集 ]
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