In the name of love act4
アーサーがマンションに帰宅すると、いつものようにレイがグランドピアノに向っていた。時間はすでに日付が変わった深夜だ。レイはピアノを弾きながらアーサーの帰りを待っていたらしい。
声もかけず、黙ってソファーに座り込んだのは演奏の邪魔をしないようにとの配慮ではなく、アーサーが疲れ果てていたからだ。
レイの奏でる優しい音色も今のアーサーには雑音でしかなく、安息の妨げであった。
「レイ、止めてくれないか」
アーサーの一言でレイの演奏がピタリと止まり、
「アーサー、帰ってたの」
今気がついたというように、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「アーサー、今の曲ね、サティの…」
おずおずと話し始めたレイを、アーサーは片手で制止する。
「静かにしてくれ」
こめかみを押さえて黙り込むアーサーの隣にレイがそっと腰かける。恐る恐る伸ばされた手はアーサーのダークブロンドを労わるように梳いていく。
グランドピアノは、あまりアーサーのマンションに来たがらないレイを誘い込むために買ったものだった。レイの安アパートでは壁が薄くて楽器の演奏などできるはずもなく、目論み通りレイはここへ入り浸るようになった。
そんな経緯を今更のように思い出し、苦々しい気分になる。
「アーサー、疲れてるね…」
レイの気遣うような優しい声がさらに続く。
「ねぇ、僕たち、別れたほうがいいんじゃないかな…?」
思いもよらなかったレイの言葉にアーサーが瞠目する。
「何を言ってるんだ…」
「だって、これ以上みんなに迷惑かけられないよ…」
アーサーの髪に触れていた手が離れ、ひどく心細くなる。その瞬間に気づいた距離感にアーサーは呆然となる。レイをひどく遠くに感じた。感情を豊かに映していたその表情さえも、今は上手く読み取れない。
その心の内に秘めた思いをレイは訥々と語り始める。
「僕たちだけが満足できればいいの?僕たちだけが幸せだったらそれでいいのかな…?」
慎重に言葉を選びながら話すレイの姿に、アーサーは言葉を失くす。
いつからそんなことを考えていたのか、レイの言葉には随分と悩みに悩んだ跡が見受けられた。それでもアーサーにはそれを受け入れられるはずがない。
「…でも、多分、僕たちは誰かを不幸にしてる。そんなのはいやなんだ…」
俯いて唇をかみしめるその姿は、一時の気の迷いでそんな発言をしたとは思えない深刻さがうかがわれた。
だから尚更、アーサーの怒りは激しかった。
「君までそんなことをいうのか…!俺が、君を守ろうと必死で動いてるのに、別れるだと!?」
怯えきった瞳でレイがアーサーを見上げる。しかし今日はそれが更にアーサーの怒りを増長させた。
「そんなことは許さない、…絶対に!!」
お前は私の所有物なのだと言わんばかりに、アーサーはレイの口内を蹂躙する。そこにレイの意思はなく、後頭部を抑えつけられて、なされるがままになっている。
アーサーの普段は隠されている凶暴な牙がむき出しになり、その夜は明け方までレイを激しくいたぶった。
どんなに達しても満たされることはなく、虚しさだけが残る、そんな夜になった。
〜To Be Continued…〜![]()
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コメント
やばいっスね!
こんばんわです、お邪魔しています!
あああああ、やばい!二人の仲に危機が・・・!
なんて事だ・・・。
二人を応援するものとして、黙っちゃいられないですよ!(落ち着け)
は、ハラハラしますね。さすがです、れおんさん・・・。
続きが気になって、本当に日参しているあきらでした!
No:34 2007/09/04 21:01 | あきら #-URL[ 編集 ]
す、すいません(-_-;)
あきら様、いらっしゃいませ〜♪
こんな展開になってしまって、本当に申し訳ないです(・・;)
言い訳をしようとすると、ネタバレになってしまうので何も言えませんが…。先に謝っておきます!
すいません!!
私もあきらさんのところには毎日お邪魔してます♪
これからの展開がすごく楽しみ〜♪
No:35 2007/09/04 23:18 | れおん #-URL[ 編集 ]
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