Perfect Love act28
レイがロンドンに引っ越しをしたと聞いたのは、それからしばらく経ってからだった。アーサーとしては寝耳に水で驚きが先に立ったが、自分との将来を考えてのことだと思うと喜びで顔が緩むのを止められない。
その日はレイが口止めをしていたシノン氏から無理に住所を聞き出して、レイの新居を訪ねるところだった。ロンドン市内の住宅街に建つ古いマンションは明らかに低所得者用の住居にしか見えないが、周辺の治安は悪くなさそうだった。
教わった部屋番号のベルを鳴らすと、中からレイのものと思しき声が「ハーイ」と返事をかえす。その後に続き、ボコ、ドカ、ドス、という音。「痛った〜」という情けない声も聞こえてくる。どうやら部屋の中で躓いて転んだらしいとアーサーは推測し、苦笑した。
ドアを開けて出てきたレイは眼鏡をかけていて、いつもと違う印象だった。そういえば二人の出会いはコンタクトレンズだったと、その頃を思い出し懐かしい気分になった。
「アーサー!?」
予想外の来客を目にしてレイが驚いて固まっている。アーサーは、レイの背後に段ボールが山積みになっているのを見て、挨拶よりも先にそれらを指摘する。
「全然荷物が片付いていないじゃないか。君はここへいつ越してきたんだ?」
「…え〜と、三日前?」
「その調子じゃあ、いつまで経っても片付かないぞ。それに今、外を確認せずに開けただろう?あまりにも無防備だ。ちゃんとレンズで確認してから開けるんだ。いいね?」
来るなり早々お説教を受けて、レイはただただ委縮するばかりである。アーサーは携帯電話を取り出すと、誰かを呼び出す算段のようだ。キョトンとするレイにアーサーは、
「レイアウトの専門家を呼んだ。イメージを伝えれば、彼らが全てやってくれる」
と勝手な事後報告をした。
十分以内に来いとアーサーが電話で命令した通り、彼らはすぐにやってきてアーサーの指示に従っててきぱきと仕事を始めた。どのようなイメージの部屋にしたいかという問いに、結局レイは、「住めるようにしてくれるのなら後はお任せします」とだけ伝えて、二人はその間外をブラブラすることになった。
レイのマンションの近くには比較的大きな公園があり、二人はそこを散策することにした。
「あ、アイスクリーム屋さんだ!アーサーも食べる?」
もう偽る必要もなく、大人のレイに戻っているはずだが、話し口調に大きな変化はない。子供のような無邪気な性格は演技をしていたわけではなく元々こういう性格なのだろう。
二人は空いているベンチに腰掛け、レイはカップに山盛りになったアイスを美味しそうに頬張っている。大きく口を開けて、無心にアイスを取り込んでいく様は元来の容姿の幼さも相まって、まるっきり子供のようだ。
アーサーがあまりにも熱心に自分を観察するので不思議に思ったレイが、スプーンを持つ手を止めた。
「あ、もしかしてアーサーもアイス食べたかった?」
緩く首を振って、レイの相変わらずの邪気のなさにアーサーは苦笑する。
「いや。でも君が食べさせてくれるなら、食べてもいいな」
アーサーがそう言うので、レイはスプーンにアイスを一掬いのせるとアーサーの口元まで運んでやる。しかし、甘いものは苦手なアーサーは、アイスよりももっと甘いものを所望していたが、鈍感なレイがそれに気づくはずもない。
「そうじゃない」
アーサーはそのアイスをレイの口に入れると、その上に唇を重ねた。アイスのカップとスプーンで手が塞がってレイが抵抗できないのをいいことに、アーサーはレイの口内に侵入して熱で溶けたアイスを存分に味わった。口の中のアイスがすっかり無くなってしまった頃、ようやくアーサーがレイを解放する。
「…は…ぅ…」
「甘いな」
アーサーがペロリと舌舐めずりをして言う。レイは顔を真っ赤にして、そんなアーサーを睨みつけるが、そんな潤んだ瞳で見つめられたら誘われているようだと内心アーサーは苦笑する。
「こ、こんな所で…」
「君が可愛すぎるのが悪い」
まったく悪びれない口調でそう言って、アーサーは不敵に笑った。
〜To Be Continued…〜![]()
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コメント
アーサーったら・・・
強引ですねえ!でも紳士♪
レイちゃん可愛い♪
私は受けちゃん至上主義なので、受けが可愛くないと萌えないのです。
その点、レイちゃんは健気だし純情だし、
天然ぽくもあって、可愛い♪
ところでれおんさんは小説執筆歴はどれくらいなのですか?
No:7 2007/08/27 22:30 | 星歐花 #xxmTR6YcURL[ 編集 ]
受けちゃんLOVE♪
いつもありがとうございます!
今回ようやくアーサーがアーサーらしくなったのでホッとしています。あ〜、アーサーってこういうやつだった、と(笑)。私も受けちゃん至上主義なので♪星さんの書かれる男の子はみんな可愛いくていつも萌えさせていただいてます☆
執筆歴ですか!歴といえるほど小説を書いたことがないのです。でもしいて言えば、小学生の頃からかな〜?
このお話は中学生の時から温めていたお話なので、こうしてみなさんに読んでもらうことができてそれだけでうれしいです☆
No:8 2007/08/28 07:20 | れおん #-URL[ 編集 ]
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