Perfect Love act11
腕の中でレイはまるで何事もなかったかのような安らかな表情で眠っている。発作を起こして気絶した後、そのまま眠ってしまったらしい。朝からの忙しさを考えれば無理もないことだった。
身長175センチに対し48キロしかない華奢な体は両腕で容易に抱きかかえられるほど軽く、頼りない。
寝室までレイを運びベッドへ横たえさせると、レイはわずかに身じろぎしてうっすらと目を開けた。
「そのまま眠りなさい」
ユベールが肩に優しく触れてなだめてやると、レイは甘えたような掠れ声でユベールの名を呼ぶ。
「ユベール…」
「大丈夫だ。私はここにいる」
ユベールには今レイが望んでいるものがわかっていた。レイの隣のスペースに横になると、寝ぼけたままのレイが身体を寄せてきてユベールの背に腕を回す。ユベールも丸まって小さくなったレイの背中を優しく撫でてやった。
レイがこうした人間的な慰撫に飢えていることは誰よりも知っていた。特に、こんなことがあった時ならば尚更だった。
「僕、またやっちゃった」
ころんじゃった、というのと同じくらい軽い口調だったが、レイがひどく落ち込んでいるのがわかる。レイは発作を起こすのは自分が弱いせいだと思っているのだ。そしてそんな自分を嫌悪している。
そんなことはない、あんな経験をすれば誰だって…。そう説明してやりたかったが、それを言えば、レイが折角忘れている辛い記憶の扉を開くことになる。思い出すことは、再びレイを傷付けることに他ならない。
「焦ることはないと先生もおっしゃっていただろう?明日からまたゆっくり治していこう。だから今日はお休み」
そう言って、レイの髪の上に小さい音を立ててキスを落とす。
レイはしがみ付くようにユベールに抱きつくと、再びユベールの名を呼ぶ。
「ユベール、ずっと傍にいてくれる?」
ユベールにはそれが「眠りにつくまで」という意味なのか「永遠に」という意味なのかわからなかった。それでもユベールが「もちろんだ」と答えると、レイは安心したように鼻息をもらしてユベールの胸に頭を預けた。しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきてユベールを安心させる。
レイが自分の腕の中に帰ってきたことに安堵する一方で、またレイを守れなかった後悔がユベールを苛む。どんなにユベールが自分の命に代えてもレイを守りたいと思っていても、今回のようなことが起こり、レイは自己嫌悪を深めていく。
レイの美しい容姿は不思議なくらいに人を惹きつける。時にその美貌に魅せられて暴走し、レイを欲望の対象にしようとする輩が現れてレイを傷つける。他人からしてみれば羨望の的となるその容姿も本人にしてみれば不幸の元でしかなかった。
父親からの性的虐待、母親の育児放棄(ネグレクト)、パートナーからの暴行、そして今回の件に至るまで、一体どれだけ神は彼に不幸をもたらすつもりなのかと思う。
レイを幸福にしてやりたい。
レイが望むのなら、永遠だって差し出そう。ユベールは心からそう思うのだった。
〜To Be Continued…〜![]()
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コメント
れおんさん!今晩は(^^)/
夜分遅くに済みませんです(苦笑)
やっと!や〜っと!読めました!!11話!!(涙)
気になっていながらなかなか来れずに、かなりジレンマだったんですが・・(苦笑)
ユべールの無償の愛が感じられて・・レイの安堵感が凄く伝わってきて・・なんだかこっちまでほっ・・・。
イイですねぇ・・この二人のあいだに流れる空気感♪
アーサーとは今後どうなっていくんだろう??
ユべールも手ごわいような・・そのままレイと居てほしいような??微妙さが・・またいいですね!!
レイも悩むんでしょうか??この二人の間で?やってくれる!!ユべール♪
では、また続きを読みに伺います(^^)v
No:54 2007/09/13 00:51 | 古田 #WGr3aBVIURL[ 編集 ]
ホワ〜ン(*^。^*)
いらっっしゃいませ、古田様☆
この章はけっこう私もお気に入りなんですよね♪
ユベールの切ない恋心が伝わったでしょうか!?
そしてレイちゃんの無意識小悪魔も今後お楽しみに!!
古田さんもお体に気を付けて!!
来てくれるのは嬉しいけど、無理してんじゃないいかと心配ですヨ〜^_^;
No:55 2007/09/13 01:18 | れおん #-URL[ 編集 ]
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