恐怖のバクテリア〜バクテリア王国へようこそ〜

御厨鈴音(みくりやれおん)が勝手に作り上げた恐れるにたらぬ王国。小説とも呼べない駄文ばかりですので、読むときっと後悔します。そんなの嫌だ、という方と18歳未満の方、BLという二文字に嫌悪を感じる方は今すぐお逃げ下さい。
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御厨 鈴音

Author:御厨 鈴音
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Perfect Love act9

►2007/08/15 20:00 

 すべては計画通りだったとアーサー・ギルフォードは内心ほくそ笑む。
 パーティーに潜り込むために、偽造した招待状を用意し、招待客リストまで改ざんさせた。目立たぬようにあえてハリウッド俳優かモデルのようにヘアスタイルを変えて、サングラスをかけてしまえば、あの暗がりの中で彼をアーサー・ギルフォードだと判別できる人間はいないだろう。レイがシノン氏と一緒だった場合も考えて、電話で引き留めておくように頼んでおいたのも正解だった。
 レイはあっさりとついてきた。もう少し手こずると思っていたくらいだった。
 警戒心がないのか、それとも無いふりをしてすべてを承知の上でついてきたのか。少なくとも今のところ、後者の意図は感じられない。
 アーサーは一か月前の運命的な出会いの日の後、レイの素姓について調べさせていた。その結果は驚くべきものだった。
 信じがたいことにレイは男で、しかもアーサーよりも4歳年上の30歳だったのだ。しかもレイは二年前にスイスの有名な整形外科医にかなり大がかりな手術を受けたことがわかっている。アーサーが魅入られたあの美貌は近代医学のたまものだったわけである。そして噂通り、レイはシノン氏の愛人で、あまつさえ同じ家に住んでいるという。
 事実を知って以来、アーサーの心は、レイに好意を抱いていた分、怒りと憎しみで占められ、感情をコントロールできなくなっていた。



 二人はパリの中でも老舗と言われる高級ホテルの一室にいた。最上階のロイヤル・スイートルームはこのホテルで一番豪奢な造りをしており、女性を満足させるにはうってつけの部屋だった。
 しかしレイは、高級な調度品には目もくれず、一面に広がる夜景に感嘆の声を上げた。
「わあー!すごーい!エッフェル塔がこんな近くに…」
 瞳を輝かせて夜景に見入っている姿はまるで子供のように無邪気だ。以前ならば好ましく思えたそんな幼い仕草も、今はただアーサーの冷笑を誘うだけだった。
 アーサーは獲物を見定める眼でレイを検分する。
 真近で見てもレイには男性的な部分は何一つ見つけられない。ヒゲの跡もなければ、喉仏もほとんど目立たない。細い首筋や、華奢な肩などはアーサーの半分もなさそうだ。これらが手術でどうこうなるとは思えないが、服の下はどうだろう?本当に男なのか確かめてみなくては、と歪んだ好奇心がアーサーを突き動かす。
 天然の色らしい、小麦色の髪は整髪料をつけておらず、さらさらと指からこぼれていく。
 ようやくアーサーに視線を向けたレイがハッとした表情になったのは、アーサーがよほど下卑た笑みを浮かべていたからなのか。アーサーの表情から、これから何か良からぬことが起こることを予感したレイは、おののいた様に一歩二歩と後ずさる。
 しかしもう遅い。アーサーの中にわだかまった負の感情は一刻も早い解放を待ち望んでいる。
 アーサーは間合いを詰めると、
「そろそろあっちへ行かないか?」
 顎でベッドルームを指し示す。始めは何を言われているのか分からずポカンとしていたが、そこに何があるのか認識したレイは、アーサーの言葉の意味をようやく理解したのか、とたんに顔を強張らせて首を左右に振って拒絶した。
「か、帰ります」
 そう言って出口へ向かおうとするレイの肩を掴んで引きとめる。
「今更、うぶな振りなどしなくていい。いつも君がシノン氏としていることだ」
 驚いて顔をあげたレイは何を言われたのか分からない様子で困惑している。ここまできてもまだ純情な少女のふりを止めようとしないレイにアーサーの苛立ちはピークに達した。
 二の腕を掴み、引きずるようにベッドルームにレイを連れていくと投げ飛ばすようにベッドへ押し倒す。
 ジャケットを脱ぎ棄てると逃げようとするレイに覆いかぶさり、体重をかけて動きを封じる。
「いやだ、やめて!」
 必死に抵抗する腕を掴んで頭の上でねじ伏せた。か細いレイの手首など、アーサーの片手で簡単に拘束できる。
「大人しくしろ。すぐによくしてやる。シノン氏よりは楽しませてやれる自信はある」
 残酷な言葉を吐き捨てて、アーサーは空いている方の手をレイの太ももに這わせた。
 怯えた目で恐怖にわななく表情はアーサーの暗い欲望をさらに増幅させる。
「君が悪いんだ。男のくせにこんな、男を誘うような格好をして…」
 スカートの中に手を滑らせると、レイの身体がビクリと大きく痙攣した。緊張のために過剰に身体が反応したのだと思っていたアーサーだったが、キスをしようとレイの顔をうかがったとき、その異変に気づく。
 アーサーを拒むように顔を背けていたレイが、大きく目を見開いて苦しげな呼吸を繰り返し喘いでいた。
 アーサーがあわてて手を放すと、自由になったレイの手は胸を掻き毟りはじめた。その顔色は青く、苦悶の表情を浮かべるレイの様子に、事態は緊急を要していると思われた。
 アーサーはルームサービス用の電話を取ると、相手の声が聞こえるなり叫んだ。
「医者を呼べ!早急にだ!」


〜To Be Continued…〜




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