Crush on You act3
►2008/02/27 20:00
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その後、エドはずっと勤めていた会社を辞めて建築家として華々しいデビューを飾った。俺にとってそれは青天の霹靂のごとく驚くべき出来事だったけれど、エドは元々その世界では名の知れた人だったらしい。俺の知らないエドがそこにはいて、距離を感じたこともあったけれど相変わらずエドはドーナツを買いに訪れては俺と他愛もない会話をして、時には彼の相談に乗ることもあった。結局エドは、仕事と彼を取り巻く環境が変わっただけでエド自身にはなんの変化はなかった。それが俺には何よりも嬉しかった。
そんな風にして三年が過ぎた。相変わらず俺達の関係は「友人」のままだったけど、それはそれで居心地が良かったし、エドがずっとあの人のことを好きだというのは知ってたから、それ以上の関係を望むなんて俺にはできなかった。俺はエドの近くにいられるだけでいい。そう思えば、片思いもそれほど辛くはなかった。しかし、そうも言えなくなってきたのは最近エドの口から再びレイジの名前を聞いたからだった。
ただでさえ多忙なはずのエドが無報酬のデザインを手掛けたと聞いて、俺はその理由を尋ねた。すると、エドはそれがレイジの為だとのたまったのだ。
「レイが出資をするミュージック・ホールのデザインを公募するっていうんでさ、母方のファミリーネームで出したんだよな。そうしたら俺のが通っちゃってさ〜」
ニヤニヤと嬉しそうにそう言ったエドに俺は(プロなんだから当然じゃん)と思いつつも、一応「良かったね」と言ってやったけど、内心面白くなかったのは言うまでもない。落成式に招待されているというエドは、何を着ていこう?なんてはしゃいで、ますます俺を不愉快にさせたけど、服飾関係に疎いエドに俺はきちんとお勧めのブランドを教えてやり、似合いそうな色やデザインなどのアドバイスもしてやった。友人としての務めはキッチリ果たしたと思う。落成式には当然レイジも来るんだろうし、浮かれるのも無理はないんだろうけど、エドに恋をしている俺としては複雑な気分だった。久しぶりの再会で焼けぼっくいに火が付いた…なんてことになったら洒落にならない。俺のこの三年間って一体何だったんだと言いたい。というか、三年もの間、想いを告げずうだうだしていた俺も悪いと思うけど…。
とにかく、レイジに会いに行くため(本来の目的は落成式のはずだけど、本人の気持ち的にはこれで間違いない)エドは日本に旅立って行った。そして、帰って来るなりこのような失恋報告を受けたというわけなのである。
俺にとってこのことは喜ぶべき事実なんだろうけど、小躍りするほどでもない。だって、エドは三年間ずっとレイジのことを忘れられなくて、あの時だってあんなひどい落ち込み方をするくらい好きだったのに、フラれたからって急にスッパリとわり切れるものなのだろうか。エドがこれからもレイジのことを想い続けていくっていう可能性もアリで、しかもあんなことをしちゃった俺をエドが恋愛対象として見てくれるハズもなく、結局俺の片思いはこのまま継続していく予定。そしてこの予定はほぼ決定事項。余程の天変地異でも起きない限り、俺に可能性が降ってくるなんてありえないことだった。
「…でさ。今日、お前この後予定あんの?話があるんだ」
改まった様子でそう切り出したエドに、俺は(何だろう?)と思いつつも、いつもの癖で面倒くさそうな表情をしてしまう。
「まだ何か話すことあんの?泣きごとなら御免だよ」
「そんなんじゃねぇよ」
そう言って俺を見つめる目がいつになく優しくて俺はドキッとした。目を細めて柔らかく笑うエドのそんな表情は好きだけど、そうされるたび俺は勘違いしそうになる。もしかしたら、エドも俺のことをちょっとは好きなんじゃないかって。そんなはずがあるわけないんだけど、そう勘違いしそうになるような笑顔なんだ。
「店は六時に閉まるんだろ。六時半でいいか?それくらいにまた来るから」
俺が何の返事もしていないのに勝手に話を進め、美味いもん食わせてやるからなと言ってエドは出て行ってしまった。相変わらずのマイペースっぷりに俺は呆れるしかないけど、エドの話というのが気になった。レイジのことでまだ何か話し足りないことでもあったのだろうか?正直なところ、エドの口からレイジのことを聞かされるのは辛かった。三年前、「まだ、あいつのことが忘れられないんだ…」と絞り出すように言ったエドの言葉を思い出して苦しくなる。
あんな風に愛されたかったと俺の心が悲鳴を上げる。友達なんかじゃなく、恋人としてエドに求められたい。でも、エドは俺じゃダメなんだ。俺はあの人みたいにキレイじゃないし、特別な才能があるわけでもない。平凡で、つまらない人間だ…。
「うわ、ばっかみてぇ、俺!」
ネガティブになりがちな気持ちをわざと声に出して追いやって、俺は約束の時間を待った。
〜To Be Continued…〜

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ブログ拍手お礼☆ 2月26日 E様 何だか五話じゃ終わらない気がしてきました…。エリスを書くのはすごく楽しいです。今のところ、ちょっと可哀想な感じですが、幸せにしてあげたいです♪
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そんな風にして三年が過ぎた。相変わらず俺達の関係は「友人」のままだったけど、それはそれで居心地が良かったし、エドがずっとあの人のことを好きだというのは知ってたから、それ以上の関係を望むなんて俺にはできなかった。俺はエドの近くにいられるだけでいい。そう思えば、片思いもそれほど辛くはなかった。しかし、そうも言えなくなってきたのは最近エドの口から再びレイジの名前を聞いたからだった。
ただでさえ多忙なはずのエドが無報酬のデザインを手掛けたと聞いて、俺はその理由を尋ねた。すると、エドはそれがレイジの為だとのたまったのだ。
「レイが出資をするミュージック・ホールのデザインを公募するっていうんでさ、母方のファミリーネームで出したんだよな。そうしたら俺のが通っちゃってさ〜」
ニヤニヤと嬉しそうにそう言ったエドに俺は(プロなんだから当然じゃん)と思いつつも、一応「良かったね」と言ってやったけど、内心面白くなかったのは言うまでもない。落成式に招待されているというエドは、何を着ていこう?なんてはしゃいで、ますます俺を不愉快にさせたけど、服飾関係に疎いエドに俺はきちんとお勧めのブランドを教えてやり、似合いそうな色やデザインなどのアドバイスもしてやった。友人としての務めはキッチリ果たしたと思う。落成式には当然レイジも来るんだろうし、浮かれるのも無理はないんだろうけど、エドに恋をしている俺としては複雑な気分だった。久しぶりの再会で焼けぼっくいに火が付いた…なんてことになったら洒落にならない。俺のこの三年間って一体何だったんだと言いたい。というか、三年もの間、想いを告げずうだうだしていた俺も悪いと思うけど…。
とにかく、レイジに会いに行くため(本来の目的は落成式のはずだけど、本人の気持ち的にはこれで間違いない)エドは日本に旅立って行った。そして、帰って来るなりこのような失恋報告を受けたというわけなのである。
俺にとってこのことは喜ぶべき事実なんだろうけど、小躍りするほどでもない。だって、エドは三年間ずっとレイジのことを忘れられなくて、あの時だってあんなひどい落ち込み方をするくらい好きだったのに、フラれたからって急にスッパリとわり切れるものなのだろうか。エドがこれからもレイジのことを想い続けていくっていう可能性もアリで、しかもあんなことをしちゃった俺をエドが恋愛対象として見てくれるハズもなく、結局俺の片思いはこのまま継続していく予定。そしてこの予定はほぼ決定事項。余程の天変地異でも起きない限り、俺に可能性が降ってくるなんてありえないことだった。
「…でさ。今日、お前この後予定あんの?話があるんだ」
改まった様子でそう切り出したエドに、俺は(何だろう?)と思いつつも、いつもの癖で面倒くさそうな表情をしてしまう。
「まだ何か話すことあんの?泣きごとなら御免だよ」
「そんなんじゃねぇよ」
そう言って俺を見つめる目がいつになく優しくて俺はドキッとした。目を細めて柔らかく笑うエドのそんな表情は好きだけど、そうされるたび俺は勘違いしそうになる。もしかしたら、エドも俺のことをちょっとは好きなんじゃないかって。そんなはずがあるわけないんだけど、そう勘違いしそうになるような笑顔なんだ。
「店は六時に閉まるんだろ。六時半でいいか?それくらいにまた来るから」
俺が何の返事もしていないのに勝手に話を進め、美味いもん食わせてやるからなと言ってエドは出て行ってしまった。相変わらずのマイペースっぷりに俺は呆れるしかないけど、エドの話というのが気になった。レイジのことでまだ何か話し足りないことでもあったのだろうか?正直なところ、エドの口からレイジのことを聞かされるのは辛かった。三年前、「まだ、あいつのことが忘れられないんだ…」と絞り出すように言ったエドの言葉を思い出して苦しくなる。
あんな風に愛されたかったと俺の心が悲鳴を上げる。友達なんかじゃなく、恋人としてエドに求められたい。でも、エドは俺じゃダメなんだ。俺はあの人みたいにキレイじゃないし、特別な才能があるわけでもない。平凡で、つまらない人間だ…。
「うわ、ばっかみてぇ、俺!」
ネガティブになりがちな気持ちをわざと声に出して追いやって、俺は約束の時間を待った。
〜To Be Continued…〜
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