In the name of love act1
►2007/09/01 12:00
「In the name of love」=「愛の名のもとに」という意味です。
愛の名のもとに、どのような展開が繰り広げられるのでしょうか?
アーサーとレイの恋の行方を温かい目で見守って下さい。
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一年で一番街が賑やかになるシーズン。アーサー・ギルフォードは、早くもクリスマスムードが高まる街中へと車を走らせていた。まだ十月の半ばだというのに、街はすっかりクリスマスのイルミネーションで彩られている。
運転手に命じていつもの場所で車を停めさせるとアーサーは、恋人が出てくるであろう建物をじっと見つめた。待たされることを嫌うアーサーがこうしてモバイルにも手をつけず、ひたすら待ちに徹するなど今までの彼ならならありえないことだった。
レイと付き合いはじめて四か月、アーサーは恋人を待つ楽しさを覚えた。
今か今かと待ちわびてやっと出てきた恋人が、自分を探してキョロキョロする姿がたまらなく好きだった。すぐにでも声を掛けて、ここだと言いたくなるのを堪えて、レイの顔が不安げに曇るのを楽しむ。悪趣味だとは思うが、ベッド以外の場所でもついつい苛めたくなってしまうのは、ひとえにレイを愛するが故である。
自分でも未だに信じられない時がある。自分以外の誰かをこんなにも愛する日が来ようとは。今までは一晩だけの付き合いや、身体だけの割り切った付き合いしかしてこなかったアーサーにとって四か月もの間、一人の人間と交際するのは初めてのことだった。
もはやアーサーにとってレイは、なくてはならない存在だった。ホモセクシャルになったつもりはないが、もはやレイ以外の人間とセックスなど考えられなかったし、他の人間に対して性的魅力を感じることもなくなった。レイがアーサーのすべてになった…といっても言いすぎではなかった。
目当ての人物が建物から姿を現して、アーサーは知らず知らずのうちに口元を綻ばせていた。いつものようにレイはキョロキョロと辺りを見回してアーサーの姿を探している。大抵、いつも同じ場所に車を停めているのにもかかわらず、レイはいつもアーサーを見つけることができない。アーサーがまだ来ていないと思ったのか、レイは携帯電話を取り出した。その直後、アーサーの携帯電話が着信を知らせる。
『もしもし、アーサー?』
「やあ、レイ。どうしたんだい?」
アーサーはまるでその場にいないかのように、白々しく電話に応える。
『仕事終わったよ。今どこにいるの?』
レイはアーサーの乗った車の斜め前にいたが、まったく気づく様子もない。アーサーはウインドーを下げると、
「ここだよ」
片手を上げて合図した。受話器と背後からの二重音声に驚いたレイがようやくアーサーに気づく。
「わっ!びっくりした〜」
レイの表情が驚きから嬉しそうなそれに変わる。
「さあ、乗って」
アーサーに促されてレイはアーサーの隣の後部座席に座ったが、会話もそこそこに、レイはアーサーそっちのけで街の風景に釘付けになってしまった。最近はレイの子供っぽい発言をアーサーが笑うので、言葉を我慢するようになったレイだが、アーサーにはレイの気持ちが手に取るようにわかった。
「少し外を歩いてみようか?」
「…え!?いいの!?」
アーサーの読みは正解だったらしい。とたんにレイは目を輝かせてアーサーを仰ぎ見た。
お互いの立場上、二人の仲が公になるのは避けたいという理由でひと気の多い場所での行動は控えていたアーサーだったが、レイが望むことならばできるだけ叶えてやりたいと、恋人に甘い男はつい気を緩めてしまう。
煌びやかに飾られたショーウィンドーはレイの好奇心を刺激したらしく、しきりに歓声を上げている。アーサーはそんなレイを眩しいものを見るようにみつめていた。しかし、恋人の存在を忘れるほど熱中するのはいかがなものか。アーサーは少し意地悪な気分になって、前触れもなくレイを腕の中に抱き込む。
「!?」
驚いているレイの唇に強引に自らの唇を重ねる。触れあったのはほんの一瞬だったが、レイは顔を真っ赤にして頬をふくらませ、抗議するようにアーサーの胸を叩いた。
「バカ!」
「私をほったらかしにした君が悪い」
アーサーはレイの可愛い反応にご満悦であった。
その様子を一台のカメラがじっと追っていたのだが、幸せな二人がそれに気づけるはずもなかった。
〜To Be Continued…〜

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運転手に命じていつもの場所で車を停めさせるとアーサーは、恋人が出てくるであろう建物をじっと見つめた。待たされることを嫌うアーサーがこうしてモバイルにも手をつけず、ひたすら待ちに徹するなど今までの彼ならならありえないことだった。
レイと付き合いはじめて四か月、アーサーは恋人を待つ楽しさを覚えた。
今か今かと待ちわびてやっと出てきた恋人が、自分を探してキョロキョロする姿がたまらなく好きだった。すぐにでも声を掛けて、ここだと言いたくなるのを堪えて、レイの顔が不安げに曇るのを楽しむ。悪趣味だとは思うが、ベッド以外の場所でもついつい苛めたくなってしまうのは、ひとえにレイを愛するが故である。
自分でも未だに信じられない時がある。自分以外の誰かをこんなにも愛する日が来ようとは。今までは一晩だけの付き合いや、身体だけの割り切った付き合いしかしてこなかったアーサーにとって四か月もの間、一人の人間と交際するのは初めてのことだった。
もはやアーサーにとってレイは、なくてはならない存在だった。ホモセクシャルになったつもりはないが、もはやレイ以外の人間とセックスなど考えられなかったし、他の人間に対して性的魅力を感じることもなくなった。レイがアーサーのすべてになった…といっても言いすぎではなかった。
目当ての人物が建物から姿を現して、アーサーは知らず知らずのうちに口元を綻ばせていた。いつものようにレイはキョロキョロと辺りを見回してアーサーの姿を探している。大抵、いつも同じ場所に車を停めているのにもかかわらず、レイはいつもアーサーを見つけることができない。アーサーがまだ来ていないと思ったのか、レイは携帯電話を取り出した。その直後、アーサーの携帯電話が着信を知らせる。
『もしもし、アーサー?』
「やあ、レイ。どうしたんだい?」
アーサーはまるでその場にいないかのように、白々しく電話に応える。
『仕事終わったよ。今どこにいるの?』
レイはアーサーの乗った車の斜め前にいたが、まったく気づく様子もない。アーサーはウインドーを下げると、
「ここだよ」
片手を上げて合図した。受話器と背後からの二重音声に驚いたレイがようやくアーサーに気づく。
「わっ!びっくりした〜」
レイの表情が驚きから嬉しそうなそれに変わる。
「さあ、乗って」
アーサーに促されてレイはアーサーの隣の後部座席に座ったが、会話もそこそこに、レイはアーサーそっちのけで街の風景に釘付けになってしまった。最近はレイの子供っぽい発言をアーサーが笑うので、言葉を我慢するようになったレイだが、アーサーにはレイの気持ちが手に取るようにわかった。
「少し外を歩いてみようか?」
「…え!?いいの!?」
アーサーの読みは正解だったらしい。とたんにレイは目を輝かせてアーサーを仰ぎ見た。
お互いの立場上、二人の仲が公になるのは避けたいという理由でひと気の多い場所での行動は控えていたアーサーだったが、レイが望むことならばできるだけ叶えてやりたいと、恋人に甘い男はつい気を緩めてしまう。
煌びやかに飾られたショーウィンドーはレイの好奇心を刺激したらしく、しきりに歓声を上げている。アーサーはそんなレイを眩しいものを見るようにみつめていた。しかし、恋人の存在を忘れるほど熱中するのはいかがなものか。アーサーは少し意地悪な気分になって、前触れもなくレイを腕の中に抱き込む。
「!?」
驚いているレイの唇に強引に自らの唇を重ねる。触れあったのはほんの一瞬だったが、レイは顔を真っ赤にして頬をふくらませ、抗議するようにアーサーの胸を叩いた。
「バカ!」
「私をほったらかしにした君が悪い」
アーサーはレイの可愛い反応にご満悦であった。
その様子を一台のカメラがじっと追っていたのだが、幸せな二人がそれに気づけるはずもなかった。
〜To Be Continued…〜
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